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「柳瀬くんってさ、女の子嫌いなの?」
「え?知らない」
柳瀬が学校に来るようになって二週間。
実力テストを来週に控える中、私は唯(ゆい)の一言に首をかしげた。
「なんで?
別に私と話してるし、女嫌いじゃないんじゃない?」
「そこなのよね。
でも楓としか口聞いてなくない?
他の女の子の中では声かけても無視されるって噂だよ」
「まさか」
カラカラと笑って、口の中にミニトマトを放り込む。
……いや、でも、待てよ。
思い当たる節はないでもない。
実際、私も会ったばかりの時はものすごい嫌悪のまなざしで見られていた。
あれって、私がお節介だったからだって思ってたけど。
「自己紹介の時も言ってたよね…」
「確かに」
ミニトマトを飲み込みながら、柳瀬に目を向けた。
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