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『ねぇ、椿。
私、浮気性かな。
このままじゃ、モテなくなっちゃうかも』
『はぁ?
あんたでも、そんなん気にするんだ』
初恋は小学校6年のころ。
でも、葉月は陽大が好きだったし、恋愛なんてそんなものだとわかっていたから、その時は、結構すぐに踏ん切りがついた。
まぁ、3つ上だしな。
しょうがねぇよな。
っていうか、そもそも浮気性の時点でそれは俺には受け付けない。
陽大は俺のことすごく気にしていたみたいだけど、たぶん俺は彼が思っているよりショックを受けていなかった。
ただ特別他に好きな女もできなかった、とそれだけのこと。
本当の転機は中学二年の夏。
『椿。
私、浮気性なくしたい。
たった一人の誰かをちゃんと好きになりたい』
そう葉月がいったとき、それは計算だったのかもしれないけど、その空間はたまたま二人きりで。
『――じゃあ、俺と付き合ってみる?』
そう提案したのも、魔がさしたからだった。
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