Wind.01

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『ねぇ、椿。 私、浮気性かな。 このままじゃ、モテなくなっちゃうかも』 『はぁ? あんたでも、そんなん気にするんだ』 初恋は小学校6年のころ。 でも、葉月は陽大が好きだったし、恋愛なんてそんなものだとわかっていたから、その時は、結構すぐに踏ん切りがついた。 まぁ、3つ上だしな。 しょうがねぇよな。 っていうか、そもそも浮気性の時点でそれは俺には受け付けない。 陽大は俺のことすごく気にしていたみたいだけど、たぶん俺は彼が思っているよりショックを受けていなかった。 ただ特別他に好きな女もできなかった、とそれだけのこと。 本当の転機は中学二年の夏。 『椿。 私、浮気性なくしたい。 たった一人の誰かをちゃんと好きになりたい』 そう葉月がいったとき、それは計算だったのかもしれないけど、その空間はたまたま二人きりで。 『――じゃあ、俺と付き合ってみる?』 そう提案したのも、魔がさしたからだった。
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