Wind.01

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付き合ってから、納得した。 葉月が彼氏をとっかえひっかえすることができるだけの女だということに。 最初は、スッピンでも化粧してる女に全然引けを取らない顔だからだと思っていた。 でも、それだけじゃなかった。 ちょっとした小さなことによく気づく、気配り上手。 自然に出来る可愛い仕草。 甘え上手だし、男をたてるのもウマイ。 ワガママも言わないし、小さなことでも怒ったりもしなかった。 付き合っていて面倒だとか、苦だとか思ったこともなくて、正直どれだけ持つかなと思っていた不安も薄れていった。 なんだ。 意外にうまくいくんじゃねーの? そう思っていて、葉月と二週間くらい会わなかった日々が続いた。 別にそのくらいの期間会えなくても、全然イヤじゃなかった。 ――だけど、葉月は違かったらしい。 その会わなかった期間にピリオドを打ったのは、葉月からのメールだった。 『ごめん。 浮気しちゃった』 それだけだった。
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