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――早く。
早く気づけよ。
葉月の良いとこ。
あんた、容姿なんか悪くたって、すげぇいい女なんじゃねーの。
むしろ、浮気性以外に何があるんだよ。
別にそんな聞き分けの良い女にならなくてもいいんじゃねーの。
サービス業じゃねーだろ、コミュニティ社会は。
もっと良いとこ教えてやりたい。
もっと自分のことを大事にしてほしい。
もっと他の人にも知ってほしい。
――俺も、葉月のこともっと知りたい。
俺のことも、もっと知って。
ゆっくり、じっくりと沼にはまっていくみたいだった。
葉月という女は非常に厄介で。
厄介だからこそ、溺れるようにハマり、そしてさらに奥へと沈んでいく。
気づいた時には、もう引き返せないくらい、葉月のことを好きになっていた。
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