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――そして、ハマった先は、やはり沼だった。
二度めの浮気を許すのは、前回とは打って変わってとても苦しかった。
他の男が葉月に触れたなんて、許せなかった。
もはや、過去にまでイラついた。
その感情をどうにか押し殺して、押し殺して、『しょうがねぇよ』という一言だけをつぶやいた。
飽きるほど愛情を与えたつもりだった。
誕生日にはバラの花を買った。
クサ過ぎて自分でも笑えたけど、葉月は笑ってくれた。
映画は興味なかった。
でも、葉月が好きだからそこに通い続けた。
勉強は、時間が許す限りした。
葉月の受験には貢献できたと自負している。
服には気を配った。
デートのとき、俺の隣を歩くのが葉月が好きだと言ったから。
だけど、浮気は三度目も起こった。
我慢は、できなかった。
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