Wind.01

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――そして、ハマった先は、やはり沼だった。 二度めの浮気を許すのは、前回とは打って変わってとても苦しかった。 他の男が葉月に触れたなんて、許せなかった。 もはや、過去にまでイラついた。 その感情をどうにか押し殺して、押し殺して、『しょうがねぇよ』という一言だけをつぶやいた。 飽きるほど愛情を与えたつもりだった。 誕生日にはバラの花を買った。 クサ過ぎて自分でも笑えたけど、葉月は笑ってくれた。 映画は興味なかった。 でも、葉月が好きだからそこに通い続けた。 勉強は、時間が許す限りした。 葉月の受験には貢献できたと自負している。 服には気を配った。 デートのとき、俺の隣を歩くのが葉月が好きだと言ったから。 だけど、浮気は三度目も起こった。 我慢は、できなかった。
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