Wind.02

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「あー、体育祭ダルい」 「てか、暑ぃ。 こんな夏真っ盛りの時に、外に来させるとか鬼か先生は」 五限の体育の時間。 暑い時期だということもあり、体育が始まるまでの間、男子陣は木陰へ避難していた。 いつも俺の周りにきて適当に騒ぐ、適当なメンバー。 陽大だけがその場から欠けている。 「なー、椿。 梶、どうしたの?なんでいねぇのよ」 阿部がその話題を引き出すように触れて、それを発端にして周りの何人かの奴らもその話題に乗っかった。 「それ、思った。 てか、今日一回も、柳瀬と梶話してねぇだろ?」 「喧嘩でもしたわけ?」 「あー…」 喧嘩? あれ、喧嘩なのか? 昨日の夜の言い合いというよりか、一方的な怒られ方をした一件を思い出す。 あの後、俺は結局いつも通りに陽大の家に泊まった。 朝、顔を合わせたけど、『おはよ』という挨拶だけだった。 一緒に登校もしていない。 たぶん、陽大はまだ俺に対して怒っている。 …怒っているのは分かっているのだけれど。
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