Wind.02

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「いや、してない。 今日も、陽大の家から登校してる」 「なんっだよ、普通に仲良しじゃん」 結局そのことについては言わなかった。 言ったって、俺にはメリットがないし、そのあとの話題は確実に喧嘩の原因になる。 それを追及されるのはひどく面倒だし、何よりコイツらの視線の先に楓を入れたくない。 「じゃあ、また梶の気まぐれかー。 あいつ、大人っていうか、カッコイイもんなー」 阿部が腕を組んで、ふぅーっと大げさにため息をついた。 「群れないし、彼女できたときも飄々としてるし、別れたときもあっさりとしてるし。 イケメンで、気が利いて、優しくて、包容力があって…、あぁ、ダメだ。良いとこしか見つからねぇ」 「まぁ、ちょっと絡みずらいとこはあるけどなー」 周りの奴らも、うんうんとうなずく。 俺は木陰の中から、陽大の姿を目で探した。 暑い日差しをサンサン浴びて、他の友人と会話している。 大人っぽい感じの友人で、陽大と仲の良い奴の一人だった。
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