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しゃんとした、立ち姿。
きれいな横顔。
他の奴らが言ってるみたいに、陽大はカッコイイ。
外見だけじゃなくて、中身も含めて。
それは俺だって認めているし、陽大の彼女はあれじゃ嫌だ、これじゃ嫌だと口出ししたくなるぐらいには気にしてる。
陽大に釣り合う女じゃなくちゃ認められないから。
だから陽大がまるで妥協するように彼女を作ったのも不満だった。
陽大は妥協なんてしてはいけない男だから。
そして、陽大が本気で選んだ楓は俺の条件も確かにクリアしていて、俺にとっては止める理由もなく、むしろ進めるべき案件であることは間違いがなかった。
――分かっている。
分かっているけれど。
「……っ」
陽大を見る俺の視野に楓が入ってきた。
キビキビとした歩きで、別に可愛らしい何かを持ってるわけでもない女。
…化粧もしない、元から特別可愛い顔をしてるわけでもない。
だけど、恐ろしくかわいい女。
楓が陽大に声をかける。
何か話しているけど、俺には聞こえない。
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