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「じゃあ、そこから走って。
俺が向こうでタイム測ってるから。
俺が手をあげたら走り出してな?」
「はい」
白線でできたレーンが5つ。
その中の右から二つを使って測定し、俺は右から一番目だった。
先生が見てないということもあるのかもしれないが、周りは自分たちのやっている活動を一度中止してこちらを見ていた。
楓を見つけてる余裕はない。
…けど、たぶん見てる。
俺が楓を見れない状況だからこそ、なおのこと。
50メートル先に先生が歩いて行く背中を見守っていると
「椿」
陽大が隣で俺を呼んだ。
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