Wind.02

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陽大がそばにいても。 陽大に愛されていても。 俺が振り向かなくても。 ――楓は俺を好きでいる。 それは容姿に惹かれたからじゃない。 俺以外じゃ代わりの効かない感情で俺を慕ってくれている。 俺だけに全身全霊で価値をくれる。 それに、俺も応えたい。 だから、陽大には負けたくない。 賭けがあっても、なかったとしても。 かっこ悪いとか、周りの評価だとか本当にどうだっていいんだ。 俺が俺自身を誇れる、そんな存在であるために、陽大に勝ちたい。 ゴールにたどり着いた時、やっぱり陽大の方が速かった。 でも、俺の記録は自己ベストを更新した。
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