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陽大がそばにいても。
陽大に愛されていても。
俺が振り向かなくても。
――楓は俺を好きでいる。
それは容姿に惹かれたからじゃない。
俺以外じゃ代わりの効かない感情で俺を慕ってくれている。
俺だけに全身全霊で価値をくれる。
それに、俺も応えたい。
だから、陽大には負けたくない。
賭けがあっても、なかったとしても。
かっこ悪いとか、周りの評価だとか本当にどうだっていいんだ。
俺が俺自身を誇れる、そんな存在であるために、陽大に勝ちたい。
ゴールにたどり着いた時、やっぱり陽大の方が速かった。
でも、俺の記録は自己ベストを更新した。
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