Rain.02

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「柳瀬くん、とりあえず自己紹介しておこうか」 「……。 なんか俺、転校生みたいですね」 「仕方ないわよ。 三ヶ月も休んでいたんだから」 朝のホームルーム。 1時間目が担任の授業だった為、急遽柳瀬のために入れられた。 柳瀬においでおいで、と手を縦に揺らす先生。 柳瀬は渋い顔をして、椅子を引いた。 その場で立ち上がると、前に行くわけでもなく、彼はざっと教室を見回す。 「柳瀬椿です。 三ヶ月、旅をしていたので学校に来てませんでした。 あー、あと女はあんまり好きじゃないです。 よろしくお願いします」 さっきのシャッターのことでも引きずっているのだろうか。 まだ不機嫌そうだった。 それにしても、 「………」 斜め前の空席が埋まっている。 昨日助けた男は本当に柳瀬椿だったんだなぁ、と私は頬杖をついてそれを眺めた。
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