Rain.03

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柳瀬はクラスに溶け込むのは意外にも早かった。 旅好きだというだけのことはある。 今や、男子がわらわらと群がる中央の机に座って方膝を立て、微笑を浮かべている柳瀬。 その横で肩を並べるようにして梶も楽しそうに笑っている。 ……女嫌い、とは思えないんだけどなー。 お弁当のたこさんウィンナーをピックごと掴みくるくると回す。 そのままパクッと口に放り込むと、はじけるような哄笑の声が柳瀬を中心に起こった。 「人気者だねー、意外にも」 「そうね。 女嫌いなんてあり得ないよ。 いい思いしかしたことないでしょ、女関係」 さっきの哄笑で妙な納得を得た私は、彼から目をそらしてお弁当に集中する。 唯は私の考えにいまいち納得できないらしく、 「そうかなあ」 と短く呟いた。
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