Rain.03

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「んー、俺さ、椿と楓の関わり実はよく分からないんだよね。 どんな会話してたのかとか知らないし。 だから、俺もそれ結構驚いた。 椿が女の子と話してるーって。 心当たりある?」 「全然」 「じゃー、椿に聞いてみれば? 今、学習室にいるし、俺がラインすれば来ると思うよ」 梶はポケットからスマホを取り出して、壁に背中を預けながら、それを弄る。 私はその様子をぼんやりと眺めた。 「……」 ……"学習室"って言ってたな。 何気なく梶が呟いた言葉に嘆息をつく。 柳瀬は学力が落ちたりしていないんだろうか。 視線を窓に移すと、赤い光が校庭を覆っていた。
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