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5分もしないで、柳瀬は教室に戻ってきた。
手に抱えているノートと問題集に目が行く。
学校で配られた物理の問題集だ。
「梶、遅い」
「委員会なんだからしょうがなくない?」
「15分で終わらせよ、そんなもん。
議題なに?」
「学校をキレイに保つ方法を一クラスずつ出した」
「想像してたより100倍どうでもよかったわ」
柳瀬が辟易した表情で後頭部を掻く。
そこで私に初めて気付いたようで、視線が私に送られた。
「あれ。七瀬さんじゃん。
まだ残ってたんだ」
「いや、残ってたっていうか私も梶と同じ委員会だし。
私一応クラス委員長なんだけど」
「へーえ、知らなかったなー」
からかうような口調。
ニヤリと上げた口角が腹立つ。
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