Rain.03

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5分もしないで、柳瀬は教室に戻ってきた。 手に抱えているノートと問題集に目が行く。 学校で配られた物理の問題集だ。 「梶、遅い」 「委員会なんだからしょうがなくない?」 「15分で終わらせよ、そんなもん。 議題なに?」 「学校をキレイに保つ方法を一クラスずつ出した」 「想像してたより100倍どうでもよかったわ」 柳瀬が辟易した表情で後頭部を掻く。 そこで私に初めて気付いたようで、視線が私に送られた。 「あれ。七瀬さんじゃん。 まだ残ってたんだ」 「いや、残ってたっていうか私も梶と同じ委員会だし。 私一応クラス委員長なんだけど」 「へーえ、知らなかったなー」 からかうような口調。 ニヤリと上げた口角が腹立つ。
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