第5話 【忘年会】

7/28
前へ
/28ページ
次へ
「えっ?!香川さん?」 静かな席なら大丈夫とか、そう言う意味ではなくってね… 意表を突かれた私は思わず立ち上がり、動揺を露わにしながらエスコートされるままに足を進める。 「はい!ここなら大騒ぎしなくて静かだから、大丈夫。大丈夫」 「えっ!?ここ…ですか?…」 「そうだよ。隣には紳士がいるし~ナイス!チョイス!!」 香川さんは両手の親指を立て調子よく「goo~!」のポーズを決める。 ナイス!チョイス!じゃありませんよ~!!香川さん…なんて事を…。 足元の座布団を見つめ、足が竦む。 強引な酔っぱらいのお姉さまに連行されてたどり着いた席は、なんと高瀬先生の隣。 そして、先生を挟む反対側には、高瀬先生を狙っていると噂される女豹。藤森さんが座っている。 ああ… 眩暈がする。 …香川さん、あなた鬼ですね。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1587人が本棚に入れています
本棚に追加