act:意外な一面

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***  翌朝、一緒に出社した。君の髪には、プレゼントした髪飾りが付けられている。そんな君に見とれていると、背中を強く叩かれた。引っ掻き傷に響く―― 「鎌田先輩っ、おはようございます!」  ――諸悪の根源の小野寺だ。 「小野寺先輩、おはようございます」  ムッとしながら、挨拶をした俺とは対照的に、飛び切りの笑顔で君は挨拶する。  ――こんなヤツに、笑顔で接しなくていい!  そう思っていると、小野寺が君の首元を指差す。 「愛し合った痕跡を発見っ、鎌田先輩も男だったんですねぇ」  無邪気に手を叩いて、喜ぶ仕草をした。その態度がいかにもバカにした感じがしたので、ジッと睨んでいると、 「今度からはもう少し目立たない場所に付けないと、みんなにつっ込まれますよ。それからお友達の山田さんに、宜しく言っておいて下さいね!」  もう一度俺の背中をバシーンと叩いて、小野寺はどこかに行ってしまった。 「お友達の山田さんって?」  君が、きょとんとして聞いてくる。 「俺の幼馴染で取引先に勤めている、バンド仲間――」  顎に手を当てて、これまでの経緯を考えてみたのだが。全てがけん坊によって仕組まれた事だったのは後日、明るみになるのだった。 【意外な一面 新婚生活編に続く】
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