欠陥人間

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「あたしのお母さんとお父さんは随分と苦労してあたしを育てたんですって。 知らないけれど。 興味ないけれど。 そんな苦労話自慢話知らねぇわよって話ね。だって面白くないんだもの。 なにに苦労したって、ねぇ、あなたが考えてることじゃないわ。 あたしはね、息を吸って吐くみたいに自殺に進んでたんですって。 どう、傑作だわ。 春、お花見に行ったら酔客に近寄って悪戯をして殺されかけんですって。 夏、海に行ったら沈もうとしてぎりぎりで助けられたんですって。 秋、紅葉狩りに行ったら崖にまっすぐに駆けたんですって。 冬、雪が降ったら自分で自分を埋めようとして腐心してたんですって。
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