天使の心には 薔薇の花も 刺が無いように見える

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天使の心には 薔薇の花も 刺が無いように見える

あれは…新年も明けたばかりの、お正月2日めのお昼過ぎ。 『新(喜)劇の巨人』を最新刊まであと1冊まで買い、お出かけからご機嫌で帰ってきたイカ(仮名♀)とチビ太(仮名♂・小①)は、いつものように車を停めたと同時に『はあ、着いたあ』と笑った。 何も特別なこともない、ありふれた光景… どこにでもあるような。 チビ太は、後部座席の助手席側のドアをスライドさせる。 「先行くでぇ」 ステップなど無視し、勢いをつけ飛び降りた。 「閉めるとき、指気ぃつけやあ」 「は~い」 ピッピッピッ…とドアが閉まるより先に駆け出している。 「はあ…元気ええなあ…」 やっと自分のシートベルトをはずし、荷物をまとめ、もちの悪いスマホの充電もはずした。 「うし、満タンと…」 満足げに携帯を見るイカの耳にチビ太の声が聞こえる。
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