時旅

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 二日後、私は結局「時旅」という看板がかけられた店に来ていた。  もうためらうことはなくカランコロンと来客を告げる扉を通る。 「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」  今回は女性がすでにこの部屋にいて、優しく微笑んでいた。 「“時旅”をいたしますか?」 「あの……思い出したいです。危険って言われたときは怖かったけど、でも、やっぱり大切なことなら、知っておかないといけないと思って」 「かしこまりました。こちらにお座りください」  木製の椅子に促され座ると、色々書かれた紙を渡された。 「注意事項ですのでよくお読みください」 「あ……わかりました」  色々書かれてると思ってしまったけど、文字数は多くない。
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