甘い罠 #2

5/24
前へ
/35ページ
次へ
グラスを運んできた蓮に悠一さんが「女性ばかりで、気を使うから、店長も一緒にどうですか?」と誘い掛けた。 蓮「ありがとうございます。」自分のグラスとタバコを持つと、悠一さんに促されるまま、看護師の間に座り、みんなとグラスを合わせた。 私とグラスを合わせるとき、蓮はニコっと笑ったが、私は笑顔が作れなかった。 蓮の表情が一瞬曇る。 違うよ。蓮が居るのが嫌な訳じゃない… でも、伝える方法は、見つからない…。 そのまま、私は誰とも話さない…。 ただ、グラスを眺めていた…。 蓮が側にいるのに、蓮に近づけない…。 まして、悠一さんに私の彼だと知られてしまった。 悠一さんは、必用に蓮に絡む…。 そして、悠一「なんだ、峰子の弟?」 蓮「そうです。姉の店にはよく?」 悠一「峰子とは、長い付き合いになる。」と笑った。 蓮「ありがとうございます。」と笑い返していた。 私は、ただ、ため息しか出ない。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加