如月診療所にて

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「俺は『捕食』しながらでないと生きていけない精神異常者だ…。 麗にはもっと相応しい奴がごまんといるはずだ…。」 「お前には幸せになって欲しいんだがなあ! 今からでも遅くないぞ!!」 棚の薬やら道具を無造作に鞄に入れ、かわりに棚に札束を置いて去るもぐら。 右手を軽くあげて、隆に別れを告げた。 隆は勝手口をしばらく見ていた。 「奇特な父娘だよな…。 こんな頭おかしい奴に…。 あんな善良な市民の家族に俺がなれる訳ないだろ…。 俺はもぐら。 掛かった『餌』を『捕食』して生きるだけ。 俺には、人間は『飼育員』か『餌』にしか見えない…。」 黒のスポーツカーは闇を駆け抜けていった。
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