2章

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とりあえず片付いたな。さてベランダに行くか。 外で雄一と聖が仲よく遊んでいる。 そんな様子を傍ら嫉妬している目で見ている竜也。 こいつの執着はやばい。 と思った瞬間だったのだ。 「不機嫌なお嬢様にはこちらは如何ですか?」 「なんのマネ?」 竜也はいやそうな感じで見てくる。 「いや不機嫌だったから、雄一となんかあったのかなって」 「ハワイ行ったら遊ぼうかなと思ってたのに、なんで、俺じゃないの」 わかりやすい。 「なら行けばいいじゃん」 「日焼けするの嫌」 女子かこいつは女子か。 「俺から雄一に言っておくか? あんたのお嬢様はご機嫌斜めでしたって」 「言わなくていいよ。でなんでカズは残ったの? 仁と街に行けばよかったのに」 「俺苦手なんだよな。あいつ」 「そうなんだ」 「あぁ、なんか全てが全部に持っていかれているような気がして腹立つんだよね」 というと竜也も苦笑いをした 「何気に似てるね。俺達って」 「そうだな」 「此処でじっとしているのも時間の無駄だと思うんだ。館内見学行こうぜ」 俺は、竜也の手をとった 「うっ、そうだね」 彼は多少動揺したそぶりを見せるが俺の差し出した手にそっと手を乗せた 「海の理に反する罪人達よ……」 俺が部屋を出ていくときに声がしたような気がした
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