1章

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仁……俺の兄貴。 今はハワイにある学校に行ってる。 父の仕事を手伝っているらしいが俺には信じられない。 だってあんなチャラ男が…… と思うと腹が立つ。 「仁のやつに会いたくないの?」 淳之介はさっきから表情を変えない。 「別に」 俺はコーラを口に含んだ 「本当は会いたいんじゃないの?」 淳之介が嫌味らしくぼそっとつぶやいた。 「ぶふぉ!」 俺はコーラを吹き出してしまったのだ。 「どうしたの?」 この野郎……マジでなんなんだよこいつ 表情1つ使えない。マジでなんなんだよこいつ。 「あっ、図星だった? うふふ」 「僕は嫌だからね。ハワイは」 絶対に意見を曲げない竜也。 「なんで? 竜也はハワイいやなの?」 「夏じゃん。暑いじゃん。紫外線浴びるのがいやなの」 でもフランスは寒いんじゃ……。 「俺寒いの嫌だなー」 てかそもそもなんで海外なんだ??? 別に沖縄でもいいじゃねぇかよ。 「つーか、夏が嫌いなら竜也、今どうしてるの?」 「っつ!」 竜也は顔を赤らめた。そうすると、ぼそっとハワイでいいとつぶやいた。 「決まりだな」 雄一はふふっと笑った いまいちノれない俺と竜也を除いてはみんな喜んでいた。 でも少しだけうれしかった。兄貴に会えるから…… そして時は流れその年の冬休み
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