1章

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冬休みの成田空港は海外に行く観光客でにぎわっている。 もちろん日本人もだが外国人もいっぱいいた。 キャリーケースや、旅行バッグを持ち俺達も空港についた。 ハワイ行のフライトまであと4時間弱ある。 「しかし、早く着きすぎたんじゃない?」 竜也はサングラスにアームカバーと完全防備だ。 今からしなくてもと突っ込みたい。 「たしかに、でもここらへん面白いものいっぱいあるからな。そこで時間つぶそうよ」 雄一は竜也をひたすらなだめる。 「うん」 雄一は竜也の頭をポンポンすると竜也は顔を赤らめた。 女子か! こいつは女子か! と誰もが思ったことだろう ジージーとスマホが鳴った。 携帯画面を見ると知らない番号だ。 「まさかな……。もしもs……」 『Hello! Are you Kazuya Iosaki?』 「Yes. May I have your name, please?」 『ちょっとー忘れたとか言わせねぇぞ』 「死ね」 いちいち俺との電話で語尾にハートつけてくる奴はこいつしかいねぇ 『久しぶりの電話なのに死ねはないでしょ??? 兄ちゃんショック』 電話の相手こそ俺が一番苦手とする人物、仁こと五百雀仁だ。 「だからなんだよ。クズ野郎」 『もうクズってなによクズってー』 だからあなたの事です。 「用件は」 『ハワイに来るんでしょ??? 待ってるってことだよ。兄ちゃんに会いたくなったのか?』 「そんなわけねーだろ。バカかお前。旅行だよ旅行」 『そっかー案内してやろうか?』 きっと向こうはドヤ顔だろう。全くうざい兄貴だ。 「結構です。みんな行っちゃうから電話切るよ。現地に着いたら連絡する。またな」 と言って俺は電話を切った。 と同時にため息が出た
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