それは必然の

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「んー…朝から元気だねー…」 俺があまりの驚きで今まで出したこともないレベルで叫んだので、さすがに男も目を覚ましたらしい。男がむくりと体を起こした。 その男はクリーム色に近い茶髪で、毛先はやわらかくうねっている。 目は垂れ目でくりくり。あぁこれがいわゆるべびーふぇいすってやつか。 鼻はすっと高く正直うらやましい。それにしても整った顔してんなこいつ。むかつく。 手足も嫌みなくらいに長く、これがイケメンさまですか、なんて脳が現実逃避を始めていた。 ふとそいつを見れば、おいこら今にも再び夢の世界へ旅立とうとしていた。 なんだかいらっとしたのでそいつの頭めがけてかかと落としをお見舞いしてやった。 「いっだぁぁぁあぁっ!なにすんの!ひどい!かずはる泣いちゃう!」 見事なクリーンヒットだった。ってかほんとなんなのこいつ。 「まぁ自業自得だ。…なにものだお前。」 「えー?ひどいなぁ。昨日はあんなに力強く抱きしめてくれたのに!」 「きめぇ。…って、あ?」
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