それは必然の

12/20
前へ
/48ページ
次へ
なんて言ったんだこいつは。 「だーかーらー!俺はイチだよ!嘉の!おともだちの!」 思考停止。本当にありえないことが俺の身に降りかかってしまったらしい。 こいつ、イチだって言ったか? 「っていうか。時間大丈夫?もう7時半過ぎてるけど。」 「…っ学校!!」 やっべぇ遅刻する! 俺はすぐさまベッドから飛び起き、支度を始めた。 昨日のうちにだいたいのことは済ませてあるので、準備自体はすぐ終えられるだろう。 問題は…どうしよこいつ。 とりあえず、ぬいぐるみが人になったなんてよくわからないイキモノだ。 ぱっと見はただの人間だけれど、めんどくさいことになりかねない。 あまり人目につかないようにするのが最善だろう。 「おいおまえ、俺は出かけるけど、俺が帰ってくるまで絶対この家から出るなよ。」 「はーい、いってらっしゃい!夕飯作って待ってるね。カレーは甘口と辛口どっちが好き?」 結構きつめに言ったつもりだったのに最高の笑顔で返された。こいつ人の話聞いてたのか? 天然でやってるのかわざとやってるのかわからないがなんかむかつく。 正直不安しかないが、俺は無視して学校へ出発した。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加