それは必然の

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「まあこんなこと急に言われても信じられないよねー」 ずずっとお茶をすすりながらそう締めた。 「ああ、正直な…っていうかゆうれいなのにご飯食えるのかよ。」 「あーうん。多分食べなくても生きて行けそうだけど。」 「いやお前死んでるし。」 「あ、そうだった。」 天然なのかバカなのか。まだ会って1日も経っていないがなんとなく頭が弱いってことはわかった。 それにしても… 「なんかゆうれいらしい特技とか無いのかよ。」 「え?うーん、ふつうに足あるし、触れるし持てるし、多分写真も写るんじゃないかな?」 「つまりほとんど人じゃねーか。」 「うん。まあ死に損ないだとでも思ってて。あ、体温だけはないよー」 ほら、と言って俺の頬にそっと手を伸ばしてきた。 …なんか温かくもなければ冷たくもない。気配が触れてくるみたいな感じだ。 「正直きもい。」 「シンプル故心に刺さる!」 やつはおいおいと泣きはじめた。まあ嘘泣きだろうけど。ほっとくけど。
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