それは必然の

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「ふつつか者ですがよろしくおねがいします」 「こちらこそおねがいします」 だめでした。人生臨機応変にいかなきゃだめだと思うわ、うん。 というかこいつ策士…その条件で俺が確実にひっかかることを分かって言ってやがる… 「よろしくねー。俺、がんばるから!」 そんな俺の内心を全く察さずに最高につやつやした良い笑顔で言われた。 なんていうかこれ、無自覚腹黒?うわやだこいつ。 なんか一緒にいると1ターンでHP30くらいずつ抜き取られてる気分なる。 「あ、もしかして俺こわい?ねえこわい?俺ゆうれいだもんねー」 「いや全く」 食い込み気味に全否定したらなんかしょんぼりされた。(´・ω・`)と完全に一致。 いやだってこんなやつにびびってるとはさすがに思われたくない。 「おいゆうれい茶よこせ茶ー」 「態度わるっ!さっそく扱き使う気満々じゃんやだー。そしてそーろそろゆうれいって呼ぶのやめようか。」 「あ?じゃああれだ、犬ーわんわんおー」 「せめてイチにして!ってか名前!かずはるですー 乾(いぬい)一遥ですー。えーっとハルって呼んでね?」 「ふうん。乾か。略して犬でいいな。犬ー」 「いじめいくない!!」 そんなこんなで、人形の犬とただの人間なはずの俺の不思議な関係は始まった。
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