それは必然の

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「…え?」 「だって。あなただって家の中できまずいのは嫌でしょう? きっとあの人もそうだと思うの。他人なんだから。」 それは俺がついさっき思っていたことだ。 だからといってこうなるのか。 「あなたはしっかりしているし大丈夫でしょう?もう高校生なんだし。」 それは母がなかなか家に帰ってこないからそうなったんだ。 世の中の高校生はいくらしっかりしていても1人暮らしはそうそう無いだろう。 「お金はたくさん入れるから。あの人も承諾してるわ。」 …俺は、母が新しく築こうとしている家庭にとって邪魔な存在なんだな。 「わかった。荷造りするから。」 「そう、わかってくれたのね。これ、あなたの新しい家の住所よ。」 そう言い残し、母は部屋を出た。
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