それは必然の

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「………」 正直、めちゃくちゃ寂しい。というか怖い。 実は幽霊とか本当に苦手だ。夜にこの静けさは勘弁して欲しい。 テレビの回線あれこれは明日学校から帰ったら、ということになっているので、ごまかすこともできない。 …こういうときは寝るのが一番だ、うん。 俺は寝室に向かおうとして、ふとイチのことを思い出した。 昨日も辛かったとき、あいつに会ったらなんだか楽になった気がしたんだよな。 俺は段ボール箱を漁り、イチを引っ張り出した。 寂しい怖いからって、この年でぬいぐるみすがることになるとは… どこか気恥ずかしさもあるが、どうせこの家には自分一人しかいないのだ。 俺はイチを連れてとなりの寝室へ入った。 ベッドに入り、そこで俺はようやく落ち着いた心地がした。 というかなんだこいつ。さわり心地良すぎだろ。 もふもふしてかなり気持ちいい。 しばらくもふもふしていると、自然と睡魔に襲われてきた。 寝られるまで時間がかかるかと思っていたのでほっとする。これもこいつのおかげか。 そして夜、俺はイチにすがるようにして眠りについた。
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