とびきりのスリルを求めて

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夜が明けた。 女の子とクリスマスに会う約束をし、私は私のすべき事に取り掛かる。 降霊術を行う事になるだろう。 福岡県前原市にある、青銅の鏡。 通称『愛のカケラ』を拝借せねば。 昔の鏡と今の鏡… 何故こうも違うのか? それはその昔、青銅の鏡は呪術を行う道具だったという記述がある。 それもそのはず。己の姿を見たければ水瓶の中を見ればいいだけの話だった。今の日本では考えられない話ね。 例の如く、私は 『クリスマスに、愛のカケラを頂戴致します』 というカードを伊都文化会館の職員室に投げ入れる。 掲示板にカッと鋭い音を立てて刺さり、不審に思った職員は早速手に取って確認していた。 時代劇でいえば矢文の要領なのだ。あれは柱にビィィンと突き刺さってるけど。 あぁ、そういえば、あれも突き刺さってるわ。 メンドいから、もうどうでもいいや。  
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