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深夜、誰もが寝静まった時…
それは起こった。
爆破
爆破
爆破
立て続けに街が赤い光を燈す。
「な、なにが…!?」
寝ぼけた目で、モニターを確認している中年男性。
その男は、静寂な田舎の街を颯爽と駆け抜ける人影を見落とさなかった。
「や、奴だ…!! 『Shadow』が出たぞ!!」
監視カメラに気付いたのか、その人影は手の内から地面に向かって『なにか』を投げ付けた。
刹那、もくもくと煙が立ち込め視界が真っ白になっていく。
「こ、こちらモニタールーム!! 3カメにてShadowを確認!! 前原市に向かって逃走中!!」
『了解!! 既に包囲してるぜ!! あんなこそ泥、一瞬で逮捕だ』
警備員や警察が、植木鉢の奥から、ポリバケツの中から、マンホールの中から姿を見せはじめる。
モニタールームに映る全てのカメラには、制服を着たゴツい男達で埋め尽くされていた。
『居たか!?』
『い、異常無しだ』
『くそ、こっちもだ…!!』
「ど、どうなってる…?」
監視カメラは、その付近に少なくとも300台配備されている。
壁、天井、屋根、下水道……
モニタールームは、常に30人体制で隈無くチェックしているはずなのだが……
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