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「今度のクリスマスにね、私…お母さんに会う約束してるの」
「…そう。良かったわね」
別居しているのだろうか。
だとしたら辻褄が合わない。嫌な性格のママハハ…?
「うん。すっごく優しいの。だけどね……」
「うん」
…?
開いた口が止まった。
「だけど…どうしたの?」
「……きのう、死んじゃったの…」
……き、聞くんじゃなかった…
それは、また……
その……
ヘヴィな話ね………
「でね、今ね…」
「うん」
「海の精霊さんにお願いしてたの。『お母さんに、会えますように』って……」
私と、この子の心が繋がったような気がした。
彼女の言葉と想いは一致し、私に伝わってくる。
海の精霊、ね……
本当は極悪非道のShadow様だってのに。
こんな純粋な依頼、受けるもんじゃない。
だけど…どこか放っておけない私もいる。
私が女の子に重なって見えた。
幼い頃の私に……
「連れてきてあげるよ。キミのお母さん…」
必ず、ね…
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