男子校=NOT薔薇の花園

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俺。佐藤佑樹、16歳。 中学入ったばっかの頃、BL大好きだった姉の影響でこちらの世界に足を踏み入れた。 生のホモォを見れるかもしれない! そんな淡い期待と共に、男子校である槙条学園に桜が満開の頃に入学し、…桜がすべて散り終わるのと共に絶望した。 ──ここは薔薇の花園なんかじゃない! 入学して3ヶ月程の時間が過ぎたが、結果は覆されなかった。 彼女持ちが極端に少ないという事はおいといて。だかだ。だがしかし。 この学校、のんけばっかじゃねーかよぅ。 「俺はどこで道を間違えたぁぁあ」 「安心しろ。まだ迷子にはなっていない」 「やだやめて冷静にツッコまないで!」 てかまだって何、と隣を歩くクラスメート兼お友達様の圭介を見て頬をふくらませると、キモい、という言葉の暴力が飛んできた。 そんなこと知ってるわ。 だがここは泣き真似で反撃。いざ。 「うぅ。そんなストレートに言わなくてもぉ」 なるべく涙声になるように声をだしながら、目元を両手で覆い隠す。 騙させろ。そして謝れ。 だがその思いもむなしく、 「その下手な演技やめろ」 すぐに演技だと見抜かれた。
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