◇ 横永大学病院にて

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イズミは問診した。 「薬を飲んで落ち着かれましたか?」 「最近はまた気分がすぐれません」 「おかしいですね。薬が効かないのかな」 最近は薬が効きづらい症例が増えている。 そうなるとより強い薬を出さなくてはいけない。 「最近何か変わったことはありましたか?」 「夫が・・・」 吉備伊都子は夫について話した。 「夫は結婚以来15年間、まるで時計仕掛けのロボットのように毎日定時で行動してきました。 朝6時起床。 7時に出勤。 夜7時に帰宅。 夕食を食べて風呂に入ると9時には書斎へいくんです」 「フムフム」 イズミは真面目に相槌を打ちながら話を聞いた。
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