照らす光は誰が為に

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 煙を上げて走る私の目に、高台にて腕を組み立つ、見るからにご立腹な双子の姉妹の姿が映る。 「ごめーん! 遅れたー!」 「「お姉ちゃん、遅ぉーい!!! 待ちくたびれたよー!!?」」  ばつが悪くて思わず叫ぶと、綺麗に揃えた叫びを返すマイとミー。そして直ぐに笑顔を見せる双子が堪らなく可愛くて、勢いをそのままに飛び付いた。 「可愛い妹達よー!」 「「わぁー!?」」  案の定、私の身体を支えきれなかった双子と共に地面に転がる私。三つの笑い声が、辺りに木霊した。  今日は皆で、ここで昼食を頂こうという約束だったのだ。 「メニューはなぁに?」 「「それは見てのお楽しみ!」」  大きなランチボックスを掲げるマイとミー。その姿を見るだけで、私の心に幸せが満ちていく。
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