2人が本棚に入れています
本棚に追加
『お陰で、誰も僕と口を利いてくれない……マイちゃんやミーちゃん、みちびきちゃんも……』
どうしようもない孤独感に襲われる僕を、いつの間にか背後に回り込んだあかりさんが、心配そうに声を上げて抱き締める。
「すなおさん……大丈夫ですか? 悩みがあるなら、わたくしに全部ぶつけて下さって良いんですよ?」
漂う甘ったるい匂いと、柔らかな感触。乾いた心に染み込んでくる、思わず依存してしまいたくなる様な彼女を、僕は乱暴に振り払った。
「離してくれ!」
「きゃっ!? ふふっ……かーわいい……」
「僕に構わないでよ!」
「……約束」
怒れる僕を強制的に沈めるのは、決まってその言葉だ。黒い笑みを浮かべる彼女の言葉に、僕は縛られている。
僕は最早、彼女の飼い犬だ……。
最初のコメントを投稿しよう!