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冬川の要請で、俺を合わせた四人は俺の部屋に集められた。
「いったい何なんだ。教えてくれよ夏海。親友の俺だけに。な?」
復活した秋山が俺の肩に腕を回し言った。一見元気に見える秋山だったが、顔は病的に白かった。
「痛い。ヘッドホンがあたってる」
春木は林田に冬川の事を聞いているが、彼は明確な情報を寄越さなかった。
「さて皆さん。ここに皆様を集めたのはほかでもありません。池野さんの殺人事件の犯人についてです」
窓際に立ち外の様子を窺っていた冬川が俺達の方に向き直って言った。
[殺人だと?]
秋山が冬川を睨めつける。
「何故私が殺人を疑ったかを話さなければなりません。まず遺書がありません。もちろん遺書を残さず自殺する人もいますがね。それから首に残った紐の痕。首に掛った紐と太さが一致しないのです」
そういって小物入れの上に置きっぱなしになっていたカーテン紐を見せた。
「そして最後に、ベッドの上に残った尿の痕。人体は首を絞められて絶命、あるいは失神すると分泌物を残す。それがなぜかベッドの真ん中のあたりにありました。彼女は枕の辺りで首を吊っていたにも関わらず」
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