進藤ハルヒトの悲劇

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 彼の珍道中はなおも続く。  10分後、彼はコンビニの前に差し掛かった。屋内の灯りに照らされ、冬の夜に怪しい風体の男の姿が浮かび上がる。もちろん進藤自身のことだ。  コンビニ前に駐車された黒のワンボックスカーから。男女が降車した。 (げっ。DQNだ)  少々服装を崩した人物を見ただけでこんな事を考えてしまう。まことに残念な男だ。 (絶対いじられる!絶対いじられる!)  そんなことはなかった。他人に絡んでくる人間など、そうそういないものだ。  その後もどうにかこうにか自転車を転がしていたのだが、ついに彼は疲れが限度に達してしまった。この珍道中の前に、彼は7時間のバイトに勤しんでいたのだ。体力の限界である。
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