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あろうことか、進藤ハルヒトは後輪を持ち上げずに自転車を押し始めた。タイヤを引きずる低い音が、静かな冬の夜に響く。
しばらくその状態で進むと、小学校の前に到着した。彼の母校である。遠くには彼の自宅であるマンションも見える。
(もう、無理)
進藤ハルヒトついにギブアップ。なんと無断で敷地内に侵入した。正門の隣にあった小さな柵が開いているのを見て、ついにやらかした。
(ふう)
学校から家までは3分もかからずに帰れる。意気揚々といした足取りで帰宅である。自転車は明日回収すればいいやなどと不届きなことを思っている始末だ。
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