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「…そして世界に平和が訪れ、長年の争いは幕を閉じました。
しかし、世界の救世主たるその者の素性も消息も世界中の誰一人としての知るものはいませんでした。
世界中の人々はその者を救世神と崇め、来世に長く言い伝えられました…。」
パタンと本を閉じ周りの子供達を見渡し、
「これがみんなも知っているあの救世神様のお話よ?」
と言いながら微笑む。
「…しぇんしぇー?救世神様はどうして消えてしまったの?」
そう聞いた子の頭を優しくなでながらまた話す。
「…そうね。
私たちのご先祖様を救うために、すべての力を使い果たして消えてしまったのではと言われているわ。」
世界に干渉したため…とも言われているけどねと心の中で思ったが、
まだこの子達には難しいだろうと考慮して言わなかった。
パンパンっ
「さてみんなっ、もう寝る時間よ!
早く自分のお布団に入りなさーい?」
手をたたいたのを合図に次々とそれぞれの布団に入り眠りについた。
全員が寝たのを確認すると先程の先生は部屋の明かりを消し、その部屋のドアをそっと閉めた。
「お休みなさい…」
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