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階段を下りてグラウンドに出ると、サッカー部、野球部、バスケ部、陸上部、挙げ句の果てには吹奏楽部まで朝練をしていた。
あきはもうすでに写真を撮り始めていて、サッカー部のシュート練習の写真を撮っていた。
あきは写真の才能がある。
賞もとってる。
私に才能はない。
センスもない。
はっきり言って写真を撮るのは下手だと思う。
部員の誰よりも。
じゃあ、そんな私が写真部に入った理由は。
もちろん先輩。
先輩の今、この瞬間を、先輩の姿を、写真に残したい。
取っておきたい。
私の宝物として。
そんな私のちっぽけな願いから、私はわざわざ一眼を買い、写真部に入部した。
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