偽心 第3話

7 バイト 元春 #2

オーナーは、奥さんのコートを脱がせて、席に座らせる。

憎らしいぐらいに自然な動き。

有紗「元春のバイト先のオーナー？」

元春「そう。オーナーと奥さんだわ。」

有紗「本当に素敵なご夫婦だね。」

オーナーと奥さんが、俺に気づいた。軽く頭を下げる。有紗もつられて頭をさげていた。

オーナーと奥さんの笑い声が時々聞こえ、二人の仲のよい、自然体な感じが羨ましく感じた…

二人には、俺達はどんな風に見えるのだろう？

食事を終えて、先に店をでた。

有紗「バイト、頑張れね。私も、旅行に向けて、仕事頑張るから…。
元春、キャンセルは無しだよ。」と、笑う。

仕事の忙しい有紗が、5日も休みをとるのだから、大変なんだろう…。

俺は、そう理解した。