12 二人の時

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有紗「もと。」 元春「何?」 有紗「もとも、他のこと忘れてね。」 携帯がなったり、✉の受信を知らせる明かりが点滅するのを知っていた。でも、一緒に居るときは、ほとんど携帯を手にしない元春。理由は、聞かなくてもわかるから…。 私も知らない振りをしてきた。 でも、何日もそんな訳にはいかないだろう…。 わかってはいるけど、口に出た言葉は取消せない…。 元春「あぁ。有紗のことしか、考えないよ」そう微笑む元春。 嘘でいい。 今だけ、独り占めしたい。 私だけ見て欲しい…。 もと、愛してるよ。 言えない言葉だけど…。
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