10 片想いのそれぞれ #2

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夜の街を歩いた…。 少し火照った顔に冷たい風が気持ちよい。 課長「駅まで送るわ」の一言に、寄り道したい場所があるとは言えなかった。 私は、そのまま後ろ髪をひかれる思いで帰宅する。 有紗「ただいま」誰もいない部屋に入る…。 元春が寝ていたベッドは、綺麗に布団が直してあり、何だか、寂しい。 私は、着替えを済ませて、リビングのソファーに座りこんだ。 あれ? 朝の置き手紙… 有紗、お疲れ様でした。 旅行の前日に、泊まりに来ます。 元春 きちんと揃った読みやすい文字が並んでいた。 元春の字、初めて見た…。 私は、初めての元春からの置き手紙をコルクボートに張り付けた。 たった一言だけど、私はとても嬉しかった。
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