28 仮の恋人

20/22
前へ
/35ページ
次へ
2人で並んで、買い物をする。 当たり前のことだけど、並んで歩ける事が嬉しかった。 「元春さん!」 誰かが、名前を呼ぶのが聞こえて、私は掴んでいたもとの腕から、離れようとした。 もとは、私の腕を掴む。 私「離して…。」もとを見上げて…。 元「そんな必要ないから。」と、微笑む。 可愛らしい女性が「久しぶりですね」と頭を下げ、私を見ていた!! 元「美咲ちゃん、元気だった?」と、笑いかける。 私は、もとに掴まれたまま、2人の話を聞いていた。 美咲ちゃんは、どうやら、ゼミの後輩らしい…。 立ち話する2人を私は、ただ笑顔で落ち着かないままに見ていた。 美咲「元春さんって、実は、こんなに素敵な彼女が居たんですね。」と笑う。 私は、戸惑いながら、もとを見上げた。 元「いい女だろ。」と、笑う。 美咲「お似合いです。みんなにバラしちゃいますよ。元春さんのファンが泣きますね」と、笑っていた。 元「どうぞ~。」と笑い、手を振る。私は、彼女に微笑み頭を下げた。 元「似合う…ってさ。良かった!!」と笑う。 良かったのは、私だよ。 姉と思われる…んじゃないかな?ってさ。 本当に不安で、離れたかった…。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加