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ペコリと儀礼的に頭を下げると、皇は香織を振り向いた。
「今日は一人なんだな」
「え…」
香織はまじまじと皇を見た。
初対面だと思っていたが、違ったのだろうか?
その様子を面白そうに見ていた皇は、香織の顔を除き込んだ。
「香織、だよな?」
名前まで呼ばれて、香織はますます混乱した。
見たことないはず。知り合いにこんなイケメンはいない。
頭がフル回転しているが、知り合った記憶はまったく出てこない。
皇はそんな香織を試すようにじっと見ていた。
「どこかで…会いました?」
記憶を総ざらいしても出てこなかったため、恐る恐る皇に声をかけると、皇はニヤリと笑った。
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