第3話

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香織はマスターがいなくなるのを見計らって皇に声をかけた。 「どこで会ったんですか?」 皇は少し目を見開くと、スッと香織のカクテルを指さした。 「俺に勝ったら教えてやるよ」 それは、飲み比べへのお誘いだった。 香織はその意図を理解すると、にっこりと笑って頷いた。 「勝ったら教えてくれるのね?」 今まで飲み比べで誰にも負けたことのない香織は、自信満々にそう答える。 「まずは一杯」 軽い口調でそう言うと、目の前にあったグラスを一息に空けた。 「いいな」 皇が楽しそうにそう答えた時、マスターがグラスを持ってきた。 皇はマスターの手からグラスを奪うように受け取ると、そのまま口の中に流し込んだ。
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