10456人が本棚に入れています
本棚に追加
/638ページ
香織はマスターがいなくなるのを見計らって皇に声をかけた。
「どこで会ったんですか?」
皇は少し目を見開くと、スッと香織のカクテルを指さした。
「俺に勝ったら教えてやるよ」
それは、飲み比べへのお誘いだった。
香織はその意図を理解すると、にっこりと笑って頷いた。
「勝ったら教えてくれるのね?」
今まで飲み比べで誰にも負けたことのない香織は、自信満々にそう答える。
「まずは一杯」
軽い口調でそう言うと、目の前にあったグラスを一息に空けた。
「いいな」
皇が楽しそうにそう答えた時、マスターがグラスを持ってきた。
皇はマスターの手からグラスを奪うように受け取ると、そのまま口の中に流し込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!