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「嘘だ…」
香織は、ポツリと呟いた。
ハッと口を押さえてチラリと横を見る。
そこには上半身裸で、気持ち良さそうに眠る皇がいた。
そーっとベッドの横を覗くと、脱ぎ散らかされた自分の服と下着が落ちている。
ゆっくりと移動してそれを取ると、皇を起こさないように下着を着け始めた。
ブラウスに腕を通そうとしていると、スルリと背中を撫でられた。
「帰んの?」
寝起きの掠れた声に、ビクリと身体を震わせて香織はそっと振り向いた。
そこには、うつ伏せのままこちらを見ている皇がいた。
まだ眠たいのか、細められた目でこちらを見つめ軽く微笑んでいる。
その色っぽい表情に、香織は慌てて顔を戻した。
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