57人が本棚に入れています
本棚に追加
「…嫌だ…嫌だっ…!------!目を覚ませ!」
「…ルシフェル?何してるの…?」
大業火の外、何かを失ったような、それでもって…そこで何かが目覚めたような…そんな感じを覚えたルシフェル。
そこには…
「ミカエル………」
「ねぇ……なんで--------が血だらけで倒れてるの?なんで兄さんに抱かれてるの?なんで……兄さんと-------、キスしてたの?」
その目は明らかに嫉妬、狂気、そのものだった。
「いつも僕といる兄さんが居ないと思ったら……へぇ…」
すると、次から次へと天使達が集まってきて、それは神の耳にも入ることとなった。
そして、
《全天使に告ぐ。今をもって熾天使ルシフェルを反逆者とし天界から追放する。………ルシフェルを見つけ次第…生け捕りにしろ。》
紛れもない、今まで仕えていた主……ゼウスの声だった。
それから、ルシフェルとルシフェルについていくという堕天した天使達と、天界の天使達との戦いが始まった。
「嘘つき嘘つき嘘つき!!兄さん…僕だけ愛してるって言ったよね?……僕だって兄さんしか愛してない……愛せない!なのに…どうして!!」
ミカエルとの戦いは激しく、それはもうお互いに消耗するだけだった……
ーーーーーー
地上に出たら、天界に勘付かれるかもしれないからな……。一応これを持って行くか。
そう思い、ルシファーの手にあるのは、ネックレスに通された指輪。それは、ルシファーが独自に作った、自分専用の魔力を抑えるもの。
「………それで、どうした。ベルゼビュート。」
「……前みたいに"ベル"と呼んでくれないのですか?」
「…そうだな。どうした、ベル…」
「いえ。ただ、明日からルシファー様のお顔が暫く見れなくなると思うと、淋しくて」
「……そうか。」
「…ルシファー様。そちらへ行っても?」
「構わない」
ルシファーのその言葉に、ニッコリ笑顔になるベルゼビュート。
.
最初のコメントを投稿しよう!